第2回 電子図書館導入後の実績と運用方法について
■前回までの流れ
第1回では、導入の経緯とその後の実績についてご紹介させていただきました。我が校では電子図書館を2018年5月に導入し、開始当初はログイン数が伸びたものの、その後ログイン数が低下するという問題が発生しました。この問題を解析したところ、4つの課題 (1)そもそも電子図書館自体の存在を知らない(2)知っているがログインができない(パスワード忘れなど)(3)ログインしても読みたい本がない(4)いつ覗いても同じ内容 が浮かび上がりました。第2回では、これらの課題に対し、どのような対策を行ったのかをご紹介いたします。
■認知拡大のためのイベント「ブックトーク甲子園」を実施
電子図書館の利用開始にあたり、学内案内やプレスリリースなど学内外で文書による通知を行いました。しかし、このような通知だけでは電子図書館について十分な認知に至りませんでした。そこで、教科部会(担当教科ごと教員が集まり教科指導のあり方を考える組織)の先生方と連携しながら、電子図書館を自然に使用できる仕組み作りから始めることにしました。その一つが「ブックトーク甲子園」です。
「ブックトーク甲子園」は、生徒に電子図書館内の本の紹介文(文章・イラストなどで表現)を制作してもらい、投票によって賞を決める校内コンテストです。最優秀賞を獲得した作品は、LibrariEの「独自資料」という機能を活用し電子図書館内で見ることができるようにしました。このコンテストを国語科教務部会の先生方と協力して企画し、2018年9月に開始しました。
このコンテスト開始以降、わずか1ヶ月でログイン数が2倍、貸出数が3倍に増加し、大きな成果をあげることができました。先生方と一緒に取り組んだおかげで、先生方にも電子図書館の利便性を理解していただき、授業や課外活動の時間にコンテストを積極的に活用する流れを作ることができました。また、生徒たちの間でも、作品を通してお互いに本を紹介し合うという文化が自然と形成されていったように感じます。
「ブックトーク甲子園」は、生徒に電子図書館内の本の紹介文(文章・イラストなどで表現)を制作してもらい、投票によって賞を決める校内コンテストです。最優秀賞を獲得した作品は、LibrariEの「独自資料」という機能を活用し電子図書館内で見ることができるようにしました。このコンテストを国語科教務部会の先生方と協力して企画し、2018年9月に開始しました。
このコンテスト開始以降、わずか1ヶ月でログイン数が2倍、貸出数が3倍に増加し、大きな成果をあげることができました。先生方と一緒に取り組んだおかげで、先生方にも電子図書館の利便性を理解していただき、授業や課外活動の時間にコンテストを積極的に活用する流れを作ることができました。また、生徒たちの間でも、作品を通してお互いに本を紹介し合うという文化が自然と形成されていったように感じます。
「ブックトーク甲子園」の成功を皮切りに、その他にもキャリア部会と連携した「スーパープレゼンテーション」、地歴公民科部会と連携した「デザイン甲子園」など、電子図書館の仕組みを利用したコンテストを多数開催し、授業の一部として定期的に電子図書館を利用する仕組み作りを行いました。
・スーパープレゼンテーション
キャリア教育の一環としてSDGs(※)を達成するための取り組みを行い、その成果とプレゼンテーションの質を全国のキャンパスで競うコンテスト。優秀作品はLibrariEの「独自資料」で公開される。
※SDGs: 2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標
※SDGs: 2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な開発目標
・デザイン甲子園
LibrariEのTOPを飾る画像を生徒から募集し、生徒の投票数によって決定するコンテスト。コンテストは季節ごとに実施し、投票数の多い作品から1ヶ月ずつLibrariEのTOPを飾る。
(7月TOP)
(8月TOP)
■ログインを容易にする「シングルサインオン」の導入
様々な校内コンテストの実施によって電子図書館の認知は高まりましたが、依然として「ログインができない」「パスワードを忘れた」という声が残りました。実は、電子図書館を利用するためには、我が校が管理するブラウザ学習システムの「クラークWebキャンパス」にログインした後、さらに日本電子図書館サービスが管理する「LibrariE」にログインしなくてはならず、ログインに手間がかかっていたのです。そこで、生徒が電子図書館を利用するためのハードルを下げるために、シングルサインオン(システムの垣根を超えて同一のユーザーIDとパスワードでログインできるようにする処理)の導入を決定しました。我が校の生徒は、単位取得のため、定期的に必ず「クラークWebキャンパス」にログインしますので、学習の合間に読書をしたり、読書の合間に学習をしたりという相互効果が生まれました。
※クラーク記念国際高等学校について
1992年に開校したクラーク記念国際高等学校は、通信制高校の自由なカリキュラムを生かし、生徒一人ひとりの才能開花を目指した教育をこれまで提供してきました。クラークに入学する生徒は「通学型プログラム」と「通信型プログラム」の大きく分けて2つのプログラムを選択します。その中から、さらに生徒自身の興味関心に合わせ、コースや専攻、選択授業などを選び自分にあった時間割を組み立てることができるようになっています。
こうした特徴ある教育システムの成果として、近年では海外大学や国公立大学など難関大学への進学者も増加傾向にある一方で、オリンピック出場を目指すスポーツ選手など学外活動も重視する生徒の入学も目立つようになり、生徒の多様性が広がっています。
クラーク記念国際高等学校は「中卒勤労者のための学校」というイメージだった通信制高校に新しいあり方を示したパイオニアとして、多くのフォロワーを生み出しました。我が校の開校以前は日本に5校しかなかった通信制高校は、今では250校以上に増えています。
1992年に開校したクラーク記念国際高等学校は、通信制高校の自由なカリキュラムを生かし、生徒一人ひとりの才能開花を目指した教育をこれまで提供してきました。クラークに入学する生徒は「通学型プログラム」と「通信型プログラム」の大きく分けて2つのプログラムを選択します。その中から、さらに生徒自身の興味関心に合わせ、コースや専攻、選択授業などを選び自分にあった時間割を組み立てることができるようになっています。
こうした特徴ある教育システムの成果として、近年では海外大学や国公立大学など難関大学への進学者も増加傾向にある一方で、オリンピック出場を目指すスポーツ選手など学外活動も重視する生徒の入学も目立つようになり、生徒の多様性が広がっています。
クラーク記念国際高等学校は「中卒勤労者のための学校」というイメージだった通信制高校に新しいあり方を示したパイオニアとして、多くのフォロワーを生み出しました。我が校の開校以前は日本に5校しかなかった通信制高校は、今では250校以上に増えています。